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『七人の侍』

日本映画の名作は?と日本人に問うても、外国人に問うても、必ず上位にタイトルが登場する映画と言っても良い、黒澤明監督の『七人の侍』。3時間を超える大作で、教材で使いたい映画ではあるが、授業時間内で終わらないため、使いにくい映画。でも、「見たい」と強くリクエストする学生がいたので、思い切って見ることにした。1954年(昭和29年)4月に公開。207分 監督:黒澤明 脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄 撮影:中...

『おとうと』から構図を学ぶ

1960年市川崑監督の映画『おとうと』カメラマンは、宮川一夫さん。「銀のこし」とよばれる技術的なことが取り上げられる映画。銀残しは、フィルム現像手法の一つで、本来の銀を取り除く処理をあえて省く事によって、フィルムに銀を残すものである。映像の暗部が極端に暗くなりコントラストが強くなり、彩度の低い渋い発色になる。物語の時代設定である大正の雰囲気を出すことを市川崑監督が、カメラマン・宮川一夫に注文をつけて試...

何故? イマジナリーラインを越えてしまった【2】

1月21日の宮崎映画の、イマジナリーラインの処理についての疑問の第2回目。『となりのトトロ』の素敵なシーンの中にも、どんでんに入って良かったのか、疑問に思うモンタージュがあります。ラスト10分間のサツキちゃんが、妹のメイを探し、あちらこちら走り回るシーンです。メイが、お母さんに会いに、ひとりで病院に向かったのかもと、サツキは七国山に走り出します。時刻の経過と妹の無事を願うドキドキを、美術の色彩と音楽で、...

何故? イマジナリーラインを越えてしまった【1】

映画の物語の進行を、不自然なく感じさせ、スムーズにイメージを伝えるために、大切とされる、場面内の想定線がイマジナリーライン。一つのシーンをいくつものカットに分けて撮影する場合のカメラポジションのルールである。複数の登場人物が会話する時など、それぞれのキャラクターをアップショットで撮影する場合、この、イマジナリーラインのルールを守って撮影しないと、向かい合って喋っているように、観客に感じさせることが...

名画にもミスがある【フレンジー】

ヒッチコック監督の映画で見つけた、マッチカットミスをもう一本。『フレンジー』(FRENZ)監督 :アルフレッド・ヒッチコック主演:ジョン・フィンチ、バリー・フォスターリチャード・ブレイニー氏(ジョン・フィンチ)はタバコ好き。会話しながらでも、タバコが手放せない。しかし、カットバックの度に、タバコがくわえられていたり無かったり…  カットが変わるとタバコが無い。くわえているのに…また、なくなっている。主人...

名画にもミスがある【知りすぎていた男】

マッチカットとは映画の編集のつながりのところで、ひとつのシーンにおいて、スムーズにつながっているか否かについての技術的なことである。映画の教科書などには、「画面が、その直前の画面の一部または全体をとらえているつながり方がマッチカット」と説明されているが、映画のつながりというのは、そんな簡単なことでもないし、もっと、大切に考えなければならないことでもある。ひとつのシーンがあるならば、そのシーンにおい...

一流かどうかは置いといて【2】

『芸能人格付けチェック2015年お正月スペシャル』の演出チェックの問題から、映像演出について学ぶ、その続き。北村龍平監督が演出した映像「A」で、感心したカメラワークとカッティングテクニックを紹介。主人公が犯人に近づいて行くシーン。両者の距離が縮まっていくイメージを、ショットサイズを徐々にアップショットに変えながらの、交互のカットバックを使いながら表現している。徐々に、アップショットにサイズが変わってい...

一流かどうかは置いといて【1】

新春の恒例バラエティー番組、朝日放送『芸能人格付けチェック2015年お正月スペシャル』。 ルールは出演の芸能人が、「A」か「B」の二者択一で「高級品(プロ)」と「一般品(素人)」を見分ける問題に挑戦し、正解数に応じてランクを決めていくというもの。最初は全員「一流芸能人」として扱われるが、解答を間違える毎に、二流芸能人、普通芸能人、三流芸能人、そっくりさんといった具合にランクが下がっていき、それに伴って待...

1年生『七人の侍』を観賞する

200分を超える映画を授業で見せる学校なんて、そんなにないんじゃない?黒澤明監督の『七人の侍』を、満を持して、後期最後の授業で観ました。1954年 東宝製作監督:黒澤明脚本:黒澤明・橋本忍・小国英雄 出演者:三船敏郎・志村喬・加東大介・木村功・千秋実・宮口精二・稲葉義男・土屋嘉男・藤原釜足・左卜全・津島恵子・高堂国典いつ見ても色あせない映画の一本。 若い時に見たときは、久蔵(宮口精二)のストイックな剣客の...

元日に映画の編集テクニックを学ぶ

浜田雅功と伊東四朗が MCをつとめる新春の恒例バラエティー『芸能人格付けチェック2014年お正月スペシャル』(朝日放送 元日放送)。 楽しみにしているのは、本物の映画監督が演出した映画と、未経験芸能人が演出した映画を、ゲストたちが見極められるかどうかというコーナー。 今年は、実写版『魔女の宅急便』の清水崇監督と、西川きよし師匠のホラーショートドラマが課題。 方や『呪怨』『富江 re-birth』など和製ホラーを数...

プレヴェール『夜のパリ』

朝10時5分から 50分間、大掃除やら正月の準備やらの手を止めて、テレビに見入ってしまった。 再放送だったのに。「SONGSスペシャル松任谷由実 ~生きるよろこび 歌にこめ~」(11月22(金)放送の再放送) 新聞の番組表示では「松任谷由実スペシャル・ひこうき雲誕生秘話」 番組の後半、「ひこうき雲」を作曲した頃に大きな影響を受けたフランスの詩人・プレヴェールの世界を探求するためにフランス・パリを訪れる。 アルバム制作...

30秒で30カット

放送中の JCBのTVCM・買い物は世界を救う『世界中移動編』の編集が素晴らしい。 嵐の二宮和也くんが、常夏のタイ、真冬のニューヨーク、リオのカーニバルのブラジル、フラメンコのスペインと、世界中をあっという間にジャンプする。その、モンタージュのテンポの良さが秀逸。 カットの数を数えると… キャンペーンの告知画面も入れると、30秒CMで30カット! ということは、1カットの平均が30フレームの映像ということ? 各国を瞬間...

チャップリン『殺人狂時代』

学生たちにチャップリンを見せようと思って、『キッド』『街の灯』を用意していたが、レクチャーに時間をとられて短編しか見せることが出来なかった、前回の授業。久しぶりにチャップリンを教材に取り上げて、見て、これまで見た中で、印象に薄いタイトル『殺人狂時代』をレンタル店で借りてきた。もう一度見直してみたいと思ったから。チャップリンの映画との出会いは、小学生の頃だったろうか? 中学生の頃だったろうか?テレビ...

リュック・ベッソンvsジョン・バダム

映像演出論で カット割りの集大成として、「編集」と「モンタージュ」について学習。 映画表現の発達史の時系列にそって紹介していくと、まず、直列モンタージュ。1900年代の早い時期に、自然と登場した当たり前な見せ方。(その頃の映画は、まだ、ワンシーンワンカットお作り方だったので、カット割りというよりも、時間の順にシーンを並べただけでしたが) つづいては、時間を自在にあやつることを可能いした、映画らしいモンタ...

同じシナリオも演出が変われば…【2】

『ニキータ』と『アサシン』その2 『ニキータ』(リュック・ベッソン監督 1990年フランス映画)とハリウッドで後年リメイクされた『アサシン』(ジョン・バダム監督 1993年アメリカ映画)を見比べてみると大変面白い、の第二回目。 映画全体の作りや、ラストの違いなど、比較のポイントは映画のどこをとっても見つけることが出来るが、前半のクライマックスの「レストランの銃撃シーン」を取り上げて、ふたつの映画の映像演出に...

同じシナリオも演出が変われば…【1】

『ニキータ』と『アサシン』その1 『ニキータ』(リュック・ベッソン監督 1990年フランス映画)とハリウッドで後年リメイクされた『アサシン』(ジョン・バダム監督 1993年アメリカ映画)を見比べてみると大変面白い。 監督の演出の違いはもちろんだが、ハリウッド映画とフランス映画の違いを感じさせてくれる。 映画全体の作りや、ラストの違いなど、比較のポイントは映画のどこをとっても見つけることが出来るが、前半のクライ...

映画の、歌って踊るシーン三作品比較

映像演出論・第4回目(10月24日の授業より) 映画の歌って踊るダンスシーンを教材に、カット割りの違いを比較ダンスシーンは、人物が体全部を動かすアクションシーンなので、ショットサイズはフルショットが基本だ。 歌いながら踊るとなると、歌手の表情を捉えるアップショットも使用するはずだ。 歌番組なら、マイクに向かって歌うだけのような東海林太郎(しょうじたろう… と言ってブログを読んでくださっている人の何人...

チャップリンの映画にカット割りを学ぶ〔3〕

映像演出論・第3回目(10月10日の授業より) 1931年に制作された チャップリンの『街の灯』 前回で学習したOL(オーバーラップ)やFI(フェードイン)、FO(フェードアウト)など、カット割りによる時間の創作のイメージを、さらにふくらます表現が作品の中で使用されている。 リュミエール兄弟の映画が発表されてから、約30年しか経っていないこのころに、現在使用されているカメラワークの多くは登場しており、的確な演出表現とし...

チャップリンの映画にカット割りを学ぶ〔2〕

9月26日の記事「映像演出論の第2回目」の続き被写体にカメラを向けて撮るだけという映画草創期の延長でチャップリンの『街の灯』を鑑賞していると、思った以上にいろんなカメラワークや映像効果が使われていることに驚く。今回は オーバーラップ(over lap) 前の画面に次の画面がダブるように、徐々に現れ同時に次の画面は消えていく画面転換技法(場面転換の場合もある)。 映画制作の現場ではOL(オーバーラップ)という言い方で...

チャップリンの映画にカット割りを学ぶ

映像演出論の第2回目  シーンをカットで分断しても映像は成立する 教材に『チャップリンの拳闘』(1915年 『The Champion』)と、『街の灯』(1931年 『City Lights』)を使用。映画のもっとも映画らしい技法は?カット割り?だということを第1回目の授業で紹介したが、具体的に映画の歴史の中で映画作家たちが、どう進化させてきたかを、チャールズ・チャップリンの作品を教材にして解説  『チャップリンの拳闘』 チャ...

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プロフィール

大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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