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馬はやっぱり駆けなきゃ

スティーブン・スピルバーグ監督の
『戦火の馬』を観た。

戦火の馬 

主人公の少年と馬との
心の交流の映画かと思うでしょう。
戦争の具として、少年の手から離され戦地に連れて行かれた馬が、戦場で兵士となった彼と再会する感動ストーリー、というだけではなかったよ。
育てた少年との関係だけでなく、戦争という背景の中で、いろんな人物から人物の手へと渡って行く。
イギリス人とだけでなく、敵のドイツ人。軍人(将校であったり、下っ端の軍馬の世話係であったり)だけでなく、戦争の犠牲になっている民間人とも出会う物語だ。
関わった人たちが、生き物を愛する心を持っているおかげで、主役の馬は少年と再会できるのだが、再会までのいろんな人たちとの出会いのエピソードは魅力的。
ひとつひとつの話しをもっとじっくりとあじわってみたい。
2時間27分を急ぎ足のようにまとめられた出来を見ると、一話一話を大切にしたテレビのシリーズ向きの物語なのかもしれないと感じた。 
 
C) DreamWorks II Distribution Co., LLC.サラブレッドなんだけど、農耕馬として調教され、馬が走り回るシーンが少ない。
たてがみをなびかせて、軽快に駆けるイメージを期待して見ると物足りない。
金持ちの男の子が女の子を隣に乗せて走らせる車との競争と、英国軍の将校同士の競争の2シーンに走る場面が用意されているが、背にまたがる人間が主役で、馬が走った印象は薄い。
圧巻は、英軍と独軍が塹壕戦を繰り広げる前線の真っ只中を駆け抜ける場面。
ここまで、恐がりで柵を跳び越えることも出来なかった、やさしい性格で描かれてきた馬が、ライバルであり友だちであった黒い馬の死と鉄の塊の戦車との遭遇で覚醒。周囲は壕と杭や張り巡らせた有刺鉄線で囲まれているにもかかわらず、ありったけの力で駆け回る。
やはり、馬の走る姿はカッコイイ!
しかし、ここでは痛々しい。 
猛スピードで鉄線に向かってぶつかって行き、体中に絡まって身動きがとれなくなる。

乱暴狼藉されても抵抗しなかった老人が、孫娘に語って聞かせた言葉。
「使命を与えられ、目的地を目指す伝書鳩には、悲惨で恐ろしい地獄図の戦場を見下ろさずに、真っ直ぐ前だけをを向いて飛ぶ勇気が必要だ」


原作は1982年に英国で発表された児童文学が原作。
戦争のリアルな厳しさや悲惨な表現よりも、人間の良心を大切にしている。
馬に関わる人々が、愛する気持ちを持っているキャラクターたちにしているのは、少年少女を対象にした原作の本来持っているトーンを大切にしたかったのかな。
殺伐とした出来事ばかりの現実にへきえきして過ごす毎日だが、優しい気持ちを思い出させてくれる。
英軍独軍がにらみ合っている最前線の境界の有刺鉄線に絡まって動けなくなった馬を、両軍の兵士が協力して助ける。
ボルトクリッパー「誰かワイヤーカッター(ボルトクリッパー)をくれ!」
って兵士が叫ぶと、次のカットでいくつもの工具が飛んでくる。
映画「白い馬」
スピルバーグらしいユーモアのあるモンタージュ。
戦場でそんなユーモアはあり得ないんだけど。

少年少女に、もっともっとファンタジックを感じさせてくれる、馬の登場するオススメ映画を紹介。
アルベール・ラモリス監督のフランス映画『白い馬』(CRIN BLANC: LE CHEVAL SAUVAGE)1953年の映画です。

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大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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