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フィルム? デジタル?

日経新聞1/26今朝の
日本経済新聞の文化面の記事から。
「消えゆくフィルム映画」デジタル化の波

デジタル化の波に押され、フィルムでの映画撮影の機会が失われつつある今日。「フィルムの選択肢を残してほしい」という声もあがっている、という取材を紹介。

デジタル化が進んだ理由として
1.撮影コストが安く簡便
2.編集や映像加工がパソコンレベルで可能
3.シネコンの普及で映画館のデジタル化が急進展
が、あげられている。

確かに、技術を手に入れれば、パソコンレベルで何でも出来てしまう。便利である。場所もコストもかからない。

『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督の言葉
「デジタル撮影なら、テスト段階からカメラを回せる。本番以外でのミラクルショットにも対応できる」
「フィルムでの連続撮影は10分ほどだが、デジタルは時間を気にせずカメラを回し続けることが出来る」
「撮影時に曇っていても、編集段階で簡単に青空に修正できる」
「ロングショットで撮っておいて、編集時に、トリミングしてアップにしたシーンもある」

このように、気付けば、デジタル撮影は世の常識となってしまった。
1年前、フィルムメーカーの老舗、米イーストマン・コダックが、米連邦破産法の適用を申請。日本の富士フィルムも、昨年9月に、保存用を除いた上映用と撮影用フィルムの生産をこの春で終了することを決定。

さみしい。

そんな中で
惜しむ声や、フィルムにこだわる監督もいることを記事は紹介。

「何でもできてしまえて、どこまで画面を作り込もうか選択肢が多すぎて判断が難しい。デジタルを完全にコントロールできるノウハウが映画界にまだ蓄積されていない。それまでは、フィルムという選択肢を残すべき」とは、黒沢清監督。
公開中の映画『サイド・バイ・サイダー』は、映画作りの行方を映画監督らへのインタビューを通じて探っている映画だが、『アバター』のジェームズ・キャメロン監督が「フィルムではできない新しい可能性の扉が開いた」と言えば、『バットマン ダークナイト ライジング』のクリストファー・ノーラン監督は「デジタルは一見魅力的だが、中身がない」と言う。
ダークナイト ライジング
『転校生』の大林宣彦監督は、「『この空の花』はデジタルで撮影したが、フィルムで撮っていたら、(倍の)5時間の作品になっただろう」と、画質の繊細さの不足を指摘。「フィルムは、微妙な空気感を表現し、見る人の想像力をかき立ててくれるが、デジタルは画面がクリア。フィルムのときに比べ、1ショットの撮影時間がどうしても短くなる。演出を変えた。どちらのも良さはある。デジタルを使うということは映画そのものの作り方を変えることだ」
転校生

『のぼうの城』の犬童一心監督は「デジタルは手軽に画面を作ることができる反面、映画の儀式性(現場での撮影にかける手間)を損なう。編集で何とでもなるといったスタッフの制作意識に懸念をいだく。デジタル撮影はCGとの相性が良いが、出来上がった映像を見ると、CGシーンは、どこかパワー不足を感じた」

フィルム派(両方に理解をします派もふくめて)の言葉は。フィルムで映画の勉強をしてきた我々にとっては、心にしみる話しであるが、デジタルを打ち負かすものではない。

地デジになり、日常のテレビの画面も、デジタル特有の切れのシャープすぎる画面になり、映画館に行ってスクリーンを見ても、デジタル画面で、そのような画面を毎日見続けて、いつしか、デジタル画面が当たり前となり、そうでないものに違和感を感じるという、おかしな現象になりつつある今日ではないかと思う。
本物の、フィルムで作られた写真や映画を見れば、きっと感動できるはずだと思うが、本物を見る機会が無くなっていく現実があり、とても辛い。

時代の流れに逆らわず、懐古せず、変化、進化していくことが大切とは理解しつつ、はたしてという思いも、捨てきれない。

この日
年が変わって、最初のオープンキャンパス。(正しくは、1月12日に1回目が行われました。今回はアニメーションの在校生スタッフが関わる新年最初のオープンキャンパス)
「30年以上続いている学科の歴史や時間は、自慢できることなので、見学生にアピールしてほしい」というリクエストにお応えして、制作の表舞台から姿を隠した、かつて、セルやフィルムを使ってアニメーション制作していた頃の器材を引っ張り出してきて、作品の展示と一緒に並べた。
編集作業で使う、ビュワーとリワインダー。フィルムをひとコマずつ確認するための器械です。

オプキャン1

リワインダーのハンドルをくるくる回すと、画面に映し出された映像が動画になって動き始めます。
パラパラマンガと映画の接点が、すごくよく分かるでしょう。

オプキャン2

1秒間24コマの実感と、3コマ撮りの実感も味わえます。

ビュワー

パソコンや、テレビの理屈よりも、うんと簡単なのに、なぜかみんな、手品を見ているかのような反応。
といよりも、理屈でわかりやすいので、親しみを込めてみることが出来るのでしょうか?

興味しんしん

懐かしい器械ですが、また、再びフィルムによる制作を再開しようと思ったら、時間的なことも、経費も、そうとう覚悟してかからなければいけないです。
でも、アナログで作ったアニメーションって、きっと愛着をいっぱい持たせてくれると思うよ。

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プロフィール

大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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