キャニメーションの森
2006年4月から開設していましたブログ「アニメーションの森」の続編です。デザインの専門学校で一昨年前40周年を迎えたアニメーション学科の学生たちの授業の様子やキャンパスレポート、卒業生の活躍を主に更新しておりますが、その役割はODCのホームページに任せて、ここのところは、プライベートなことをつぶやいています。
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アニメーションの
1年生の、プレゼンマラソンの結果は2等賞。
その準備と本番の様子を振り返って報告いたします。
大阪をテーマに「何する?」の
企画会議で出てきたアイデアは、「大阪といえばおばちゃん」。おばちゃんと八百屋のおじちゃんとの値切りバトルが最初の企画でした。
しかし、大阪のおばちゃんネタってそこら中にあるものだし、ケンミンショーになるだけだし、何よりも、大阪のおばちゃんイコールモンスターという定番どおりじゃつまらないじゃないですか。
違う切り口で、専門学校生らしい企画を発送できないかって検討しました。
そこで、出てきたのが、舞台となる商店街に、もう少し注目してみよう。
昨年の桃谷商店街に続く、商店街ネタだけど。
最近、商店街って元気なさそうじゃないですか。
スーパーや量販店に押されてしまって。
皆さんの町の商店街いかがですか?
シャッターが下りた商店街は、シャッター街だとかシャッター通りなんて呼ばれたりしています。
近所の、商店街もライフが建って、単なる通りに化す気配。
そんな事言っておきながら、カートを転がせばいろんな商品が目に入ってくる便利なスーパーを利用してしまっているんだけど。
でも、商店街ってなくなってほしくない。街にあってほしいじゃないですか。
なんてわがままなんでしょう!
そんなこんなで、新学期早々、文の里商店街の商店街組合に取材に行ったのでした。
ちょうど、商店街の活性化を図った「ポスター展」を開催していて、マスコミにも注目されていた商店街だったので、聞きに行けば何かがあると感じたので。
その時の取材の様子はこちらの日記をご覧ください。
http://odcanime.blog40.fc2.com/blog-entry-1982.html
そして、文の里商店街ポスター展についてはこちらの記事を。
http://odcanime.blog40.fc2.com/blog-entry-1972.html
そんなふうに
制作の準備を整えて作り始めたアニメーション。しかし、入学後、初めての大規模な制作に、新入生3人組は、戸惑い、難行しました。
当初は6人で企画したアニメーションですが、気持ちの変更や個人的な理由で、制作スタート時には半分に。
すでに絵コンテは出来上がっており、完成すれば3分のストーリーものに。
声優学科に手伝ってもらって、アテレコの計画もしていました。
動画を描いて、1枚1枚スキャニングして、撮影して。苦手な背景も頑張って。
手分けして連日放課後も頑張りました。
何とか授業スケジュール内で、すべての作業に手を付けることはできましたが、余裕を持った完成とはいきません。
このままじゃ、声優学科の方たちに、オーディションのスケジュールも作れないだろうし、選ばれたキャストに練習してもらう時間も作れない。おばちゃん、おっちゃん、息子に友だち、商店街の人たちに買い物のお客さんたち、キャストは大勢です。その全ての方たちに、ぶっつけ本番の録音という、ギャンブルな作業になってしまいそう。
さらに、「はたして、声優の学生さんたちに、おばちゃんやおっちゃんの声を出せてもらえるのか」という、最大懸念をクリアできないまま、録音への突入になってしまうのか。
ここで
学生たちに提案。
「セリフという概念をやめて、ナレーションっていう発想でやってみない?」
「町会の不定期な落語会に、知ってる落語家さんが高座に上がるので、ダメもとで頼んでみよう」
「阪神タイガースファン同士だから何とかなるかも」
それが、桂一蝶さん。
学生たちに、前期の授業で鑑賞してもらった、岡本忠成さんの『人間いじめシリーズ』の桂朝丸さん(現・ざこば師匠)ノリで行ければという期待を込めてです。
電話で
依頼を伝え、お願いをした時には、案の定、快く引き受けてもらえるとはいきませんでした。
一蝶さんにとっては、初めてのこと。
イメージすら想像できない依頼なので、それは当然でしょう。
後から聞いた話ですが、一蝶さんは最初に「アニメ」と聞いたときに、ガンダムやマクロス、エヴァンゲリオンをイメージされたそうです。「熱心に見たことがないし」断ろうと思ったそうです。しかし、学生たちの制作中のアニメーションのストーリーを説明し、大阪の商店街を元気にさせたい企画意図はもちろん、「大阪の人情」の噺として発表したいのですという制作の思いを伝えました。そして、学生たちがストーリーボードやキャラクターのイラストを描いていますので、ぜひ、見ていただけませんかと、直接会って説明できる機会を与えてもらいました。
1年生の
和田さんが、学期末課題で作成したストーリーボードとキャラクターのイラストを楽屋に持参して、一蝶さんにプレゼンテーションしました。和田さんの熱心なプレゼンで、一蝶さんは「引き受けよう」と決断できたそうです。
そして
プレゼンマラソン当日。
アニメーション学科の発表の順番は、最後から2番目。
これは、メンバーにとってとてもありがたい順番です。
一蝶さんと、しっかりと打ち合わせができます。
完成したアニメーションを試写しながら、声を当てて練習をしてもらいました。
アニメーション学科の
発表の番がまわって来ました。
完成したアニメーション映像と、実際に取材してきたことをしめす記録の写真をボードにして用意してきたプレゼングッズをセッティング。
今回のプレゼンテーションについての企画意図を発表。
制作したアニメーションの解説と、弁士付きのアニメーションであることを伝え、われわれと一緒にプレゼンに参加してくださる、落語家・桂一蝶さんを紹介。
一蝶さん登場。
会場にはお初にお目にかかる人もいるので、自己紹介をしてもらいました。
見てください。一蝶さん、本気モードで高座の衣装に着替えてくださいました。
アニメーションの上映です。
上映後、あらためて、制作についての裏話を発表しました。
自分たちがどんな思いでこのアニメーションを制作したのか。
どんな準備を行い、自分たちの目と耳を使って調べたこと。大勢の人に協力してもらい、今日の発表に至ったこと。桂一蝶さんに一役かってもらった狙いと経緯。
直前の打ち合わせだけで、練習もほとんど出来ていない発表でしたが、取材して調べたことや、制作に対する思いは本物なので、気持ちで勝る発表でした。
学生たちも「一蝶さんが、こんなに私たちのために一生懸命にしてくれたので、頑張らないと」という気持ちが強かったそうです。
発表が終わりました。
審査員からのコメントをいただきました。
プレゼンに対するコメントは、企業の方からも、校長先生からも、お褒めの言葉をいただき、せえいっぱいの発表を労ってくださる好意的なコメントばかりで、ホッと、胸をなでおろせました。
1年生3人組の
皆さん、お疲れ様。一蝶さん、本当にありがとうございました。
1年生のこの時期に
3分間というオリジナルストーリーで複数登場するキャラクターもデザインし動画を描いて動かして着彩し、背景と合わせて撮影し、さらに、上映用の映画として編集して仕上げ、効果音と音楽も録音し、こうやって発表までしました。たった、2か月足らずの期間にです。
これって、とても大変なことですが、審査員は、それを理解してくださったんだと思います。
現在、当たり前のように放送されているアニメーションが、とてつもない、桁違いの労力と時間とお金をかけて作られているんだということを。1枚の画を動かすということが、とても大変だということは、アニメーション制作を体験してみないとなかなか分かってもらえません。学生たちのその苦労も理解していただき、評価してくださったと思います。
そして、2等賞という、素晴らしい結果をいただけたのは、自分たちの足で出かけていき、自分たちの言葉で質問し、耳で聴き、自分たちの心でまとめた結果をプレゼンしたことを高く評価していただきました。


1年生の、プレゼンマラソンの結果は2等賞。
その準備と本番の様子を振り返って報告いたします。
大阪をテーマに「何する?」の
企画会議で出てきたアイデアは、「大阪といえばおばちゃん」。おばちゃんと八百屋のおじちゃんとの値切りバトルが最初の企画でした。
しかし、大阪のおばちゃんネタってそこら中にあるものだし、ケンミンショーになるだけだし、何よりも、大阪のおばちゃんイコールモンスターという定番どおりじゃつまらないじゃないですか。
違う切り口で、専門学校生らしい企画を発送できないかって検討しました。

昨年の桃谷商店街に続く、商店街ネタだけど。
最近、商店街って元気なさそうじゃないですか。
スーパーや量販店に押されてしまって。
皆さんの町の商店街いかがですか?
シャッターが下りた商店街は、シャッター街だとかシャッター通りなんて呼ばれたりしています。
近所の、商店街もライフが建って、単なる通りに化す気配。
そんな事言っておきながら、カートを転がせばいろんな商品が目に入ってくる便利なスーパーを利用してしまっているんだけど。
でも、商店街ってなくなってほしくない。街にあってほしいじゃないですか。
なんてわがままなんでしょう!

ちょうど、商店街の活性化を図った「ポスター展」を開催していて、マスコミにも注目されていた商店街だったので、聞きに行けば何かがあると感じたので。
その時の取材の様子はこちらの日記をご覧ください。
http://odcanime.blog40.fc2.com/blog-entry-1982.html
そして、文の里商店街ポスター展についてはこちらの記事を。
http://odcanime.blog40.fc2.com/blog-entry-1972.html
そんなふうに
制作の準備を整えて作り始めたアニメーション。しかし、入学後、初めての大規模な制作に、新入生3人組は、戸惑い、難行しました。
当初は6人で企画したアニメーションですが、気持ちの変更や個人的な理由で、制作スタート時には半分に。
すでに絵コンテは出来上がっており、完成すれば3分のストーリーものに。
声優学科に手伝ってもらって、アテレコの計画もしていました。
動画を描いて、1枚1枚スキャニングして、撮影して。苦手な背景も頑張って。
手分けして連日放課後も頑張りました。
何とか授業スケジュール内で、すべての作業に手を付けることはできましたが、余裕を持った完成とはいきません。
このままじゃ、声優学科の方たちに、オーディションのスケジュールも作れないだろうし、選ばれたキャストに練習してもらう時間も作れない。おばちゃん、おっちゃん、息子に友だち、商店街の人たちに買い物のお客さんたち、キャストは大勢です。その全ての方たちに、ぶっつけ本番の録音という、ギャンブルな作業になってしまいそう。
さらに、「はたして、声優の学生さんたちに、おばちゃんやおっちゃんの声を出せてもらえるのか」という、最大懸念をクリアできないまま、録音への突入になってしまうのか。

学生たちに提案。
「セリフという概念をやめて、ナレーションっていう発想でやってみない?」
「町会の不定期な落語会に、知ってる落語家さんが高座に上がるので、ダメもとで頼んでみよう」
「阪神タイガースファン同士だから何とかなるかも」
それが、桂一蝶さん。
学生たちに、前期の授業で鑑賞してもらった、岡本忠成さんの『人間いじめシリーズ』の桂朝丸さん(現・ざこば師匠)ノリで行ければという期待を込めてです。
電話で
依頼を伝え、お願いをした時には、案の定、快く引き受けてもらえるとはいきませんでした。
一蝶さんにとっては、初めてのこと。
イメージすら想像できない依頼なので、それは当然でしょう。
後から聞いた話ですが、一蝶さんは最初に「アニメ」と聞いたときに、ガンダムやマクロス、エヴァンゲリオンをイメージされたそうです。「熱心に見たことがないし」断ろうと思ったそうです。しかし、学生たちの制作中のアニメーションのストーリーを説明し、大阪の商店街を元気にさせたい企画意図はもちろん、「大阪の人情」の噺として発表したいのですという制作の思いを伝えました。そして、学生たちがストーリーボードやキャラクターのイラストを描いていますので、ぜひ、見ていただけませんかと、直接会って説明できる機会を与えてもらいました。
1年生の
和田さんが、学期末課題で作成したストーリーボードとキャラクターのイラストを楽屋に持参して、一蝶さんにプレゼンテーションしました。和田さんの熱心なプレゼンで、一蝶さんは「引き受けよう」と決断できたそうです。
そして
プレゼンマラソン当日。
アニメーション学科の発表の順番は、最後から2番目。
これは、メンバーにとってとてもありがたい順番です。
一蝶さんと、しっかりと打ち合わせができます。


完成したアニメーションを試写しながら、声を当てて練習をしてもらいました。


アニメーション学科の
発表の番がまわって来ました。

完成したアニメーション映像と、実際に取材してきたことをしめす記録の写真をボードにして用意してきたプレゼングッズをセッティング。

今回のプレゼンテーションについての企画意図を発表。
制作したアニメーションの解説と、弁士付きのアニメーションであることを伝え、われわれと一緒にプレゼンに参加してくださる、落語家・桂一蝶さんを紹介。
一蝶さん登場。
会場にはお初にお目にかかる人もいるので、自己紹介をしてもらいました。
見てください。一蝶さん、本気モードで高座の衣装に着替えてくださいました。


アニメーションの上映です。



上映後、あらためて、制作についての裏話を発表しました。
自分たちがどんな思いでこのアニメーションを制作したのか。
どんな準備を行い、自分たちの目と耳を使って調べたこと。大勢の人に協力してもらい、今日の発表に至ったこと。桂一蝶さんに一役かってもらった狙いと経緯。


直前の打ち合わせだけで、練習もほとんど出来ていない発表でしたが、取材して調べたことや、制作に対する思いは本物なので、気持ちで勝る発表でした。
学生たちも「一蝶さんが、こんなに私たちのために一生懸命にしてくれたので、頑張らないと」という気持ちが強かったそうです。
発表が終わりました。
審査員からのコメントをいただきました。




プレゼンに対するコメントは、企業の方からも、校長先生からも、お褒めの言葉をいただき、せえいっぱいの発表を労ってくださる好意的なコメントばかりで、ホッと、胸をなでおろせました。
1年生3人組の
皆さん、お疲れ様。一蝶さん、本当にありがとうございました。


1年生のこの時期に
3分間というオリジナルストーリーで複数登場するキャラクターもデザインし動画を描いて動かして着彩し、背景と合わせて撮影し、さらに、上映用の映画として編集して仕上げ、効果音と音楽も録音し、こうやって発表までしました。たった、2か月足らずの期間にです。
これって、とても大変なことですが、審査員は、それを理解してくださったんだと思います。
現在、当たり前のように放送されているアニメーションが、とてつもない、桁違いの労力と時間とお金をかけて作られているんだということを。1枚の画を動かすということが、とても大変だということは、アニメーション制作を体験してみないとなかなか分かってもらえません。学生たちのその苦労も理解していただき、評価してくださったと思います。
そして、2等賞という、素晴らしい結果をいただけたのは、自分たちの足で出かけていき、自分たちの言葉で質問し、耳で聴き、自分たちの心でまとめた結果をプレゼンしたことを高く評価していただきました。





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