キャニメーションの森
2006年4月から開設していましたブログ「アニメーションの森」の続編です。デザインの専門学校で一昨年前40周年を迎えたアニメーション学科の学生たちの授業の様子やキャンパスレポート、卒業生の活躍を主に更新しておりますが、その役割はODCのホームページに任せて、ここのところは、プライベートなことをつぶやいています。
Entries
昨日の
プレスクール(第3回目)の報告。
AOエントリーが
完了した人や、すでにAO出願が完了した人が参加できる入学前授業がプレスクール。
高校の行事や部活や家庭の事情などが理由で、なかなか参加できない皆さん、遠方にお住いの皆さんもこちらをご覧になって自宅で学習してみてください。
プレスクールに
参加しなければ、入学後にデメリットがあるということはありませんし、自主参加ですので、参加できる範囲で登校していただければと思います。
記事を見て、質問したいことや相談も、随時受け付けていますので、ご案内している連絡先や、AOサポーターに連絡していただければお答えいたしますので、不安に思わずに利用してください。
【アニメーション学科プレスクール】
前田先生の「アニメーター基礎」。
今回は、キャラクターのデッサンが課題でした。
アニメーターという職業において、作画するということについての仕事の流れについての講義からスタート。
複数チームによるローテーションで、話数ごとに同時進行していく仕事なので、全員で絵の統一を図ることがことが大事。
キャラクターのイメージをそろえて描いていくデッサン力が、アニメーターに必要なテクニックになります。
「設定されたキャラクター表を見ながら、様々なアクションポーズを描くことができるか?!」
これが、今回のテーマ。
在校生たちが、オリジナルで制作しているアニメーション(グループ制作)のキャラクター表を拝借。
参加者に、コピーが配布されました。
1.それを見ながら、斜めのアングルの描写にチャレンジしました。
動画の作成において、斜めのアングルのデッサンはとても大切です。
三次元が舞台ならなおさらです。正面のアングルや真横の構図ばかりじゃ、せっかくの世界観が描写できないでしょ?
本来ならば、設定書において描かれていなければなりませんが、今回はあえて、斜めのデッサンがない資料を配布し、教材にしました。
前田先生曰く
「斜め以前に、みんな、プロポーションの観察ができていません」
キャラクターのデッサンにおいて、まず、①頭身を確かめることが何よりも大切。さらに、②肩幅や、腕の長さ太さ、足の長さ太さ、手足の大きさなど、体の各部のサイズを確認。肘や膝のポイントが大切。すべては頭のサイズが基本になります。③顔面の中にある、目や鼻や口のプロポーションやバランスについても学習。
あらためて
修正デッサンを行いました。
よし、みんな、上手く描けるようになってきたぞ!
アニメーターは
作家ではないので、与えられた設定にもとづいて、決められたデザインのとおりにデッサンすることが仕事です。自分の感覚で好き勝手に描いてはいけないのです。(キャラクターデザイナーを任されたら別ですけどネ)
仕事の役割としての大切さを学びました。
2.休憩時間後、続いての課題は、いろんなポーズを描いてみよう!
設定資料に描かれていない、いろいろなアクションポーズを、想像して描く。
アニメーターには、そんなデッサン力も必要です。
腕を組んだら、どんなぐあいになるのか。座った時のプロポーションの見え方の変化に対応できるか。関節が曲げられると、設定されたデッサンとは違ったイメージを描かなければなりません。しかし、そのキャラクターの特徴や個性が変わってしまってはいけません。
斜めのアングルなので
視点の高さの関係と、モノの見え方についての講義も行われました。
この日、描いているキャラクターも、立体のイメージなわけですから、アイレベルに似合った描かれ方がされなければいけません。
これまで
みんなは、自分本位でキャラクターを描いていたと思うのですが、この日の学習を経験して、新しい課題が見えてきたのではないでしょうか?
最後に、前田先生から、「今日勉強したことが、実際の作品で、どうなっているのかを観察してみてください」という言葉で締めくくられました。
【キャラクターデザイン学科プレスクール】
第3回は「描写力スキルアップ」
私が担当。画材は鉛筆を使って、観察して描写する課題を用意しました。
教材は
当初の予定では、紙コップや紙皿とスプーンやフォークを使って質感表現にチャレンジしてもらおうと考えていましたが、季節に似合ったものに変更。そろそろ、世間の樹木も紅葉が始まりだし、落ち葉も出始めましたが、その、落ち葉を書いてもらうことにしました。
コップや皿など食器も良いのですが、自然のモノを描くことの方が、人の手で描く作業にピッタリですし、様々な筆圧やタッチで描いていく制作にぴったりだからです。
しかも、写真を見て描くのとは違って、現物を見て描くことは、本当に、対象物に向かい合って描く制作が出来るからです。
机の上に
並んだ葉は、ユリノキの落葉と、イチョウの葉、ケヤキの落葉。
大阪の街路樹を代表するはっぱたちです。
残念ながら、イチョウの葉が色づくには、もう少し先でしょうか。
ユリノキは、モクレン科の落葉高木。
葉身は6~15cmで、この日の用紙のA4サイズに似合った大きさ。葉の形が半纏(はんてん)や、相撲の軍配に似た形から、ヤッコダコノキ、グンバイノキとも言います。
今回のテーマは描写。
鉛筆で、じっくり描き込みを行いました。
その前に、ウォーミングアップとトレーニング。
鉛筆で、球体描写にチャレンジ。
立体を表現するには、陰(カゲ)の描写が必要。
存在を表現するには、影(カゲ)が必要。
陰影が大切です。
写実的な陰影の表現を行うためには、鉛筆の濃淡を使い分けて描写していかなければなりません。
筆圧を加減して、諧調を作っていきます。
球体描写表現は、ちょうどいいトレーニングになります。
普段から、鉛筆で描写の練習をしましょう。
さあ
落葉の描写です。
枯れた落ち葉は、丸まっていたり、凹凸ができていたり、表情が豊か。とても面白味の多い対象です。
テーブルと
葉のすき間の、浮いた部分の影を描写すると、葉の浮いた雰囲気が表現できます。
葉脈を描写して
葉らしさを演出します。
休憩時間を
はさんで、教室を離れ、現在展覧会中の、ODC大ショーの入賞作品・入選作品の展示を見学し、校舎の外に散歩に出かけました。
学校周辺を案内するのと同時に、刺激を受けたり、実際に街路樹を間近に観察するため。
どんな植物なのか、どこに生えていたのか、そんな情報が加われば、作品に込める思いも変わってきます。
単なる対象じゃなくなるでしょ。
キャラクターデザイン学科は創作したキャラクターを生き物にして育てていく学科。デッサンの作品にだって命を吹き込むのです。
落葉1枚を
ただの落ちていた物で終わらせず、彼のいた環境や本来の姿を知り、感じたこと制作に反映されることを期待します。
今回の
制作の目的は、細かに観察して、じっくり描写することでしたが、この体験は、ゲーム業界に就職するために必要なデッサンの作品を描きためることにつながってほしいと願っています。
前回のプレスクールのテーマはスケッチでしたが、これは、キャラクター業界や商品開発の世界にはなくてはならないスキル。ゲーム業界は、3Dが必須。リアルで臨場感ある画面を作り込むには、観察力と描写力が大切です。時間をかけてでも、じっくりと描き込んだり作り込んだりできる体質とスキルが必要です。いかがでしたでしょうか?
途中、校長先生が、2回教室に見学にこられました。
「みんな、黙黙と描いてるなぁ」
デッサンは集中力が必要ですね。
一人だけで、そのような時間を作るのが苦手な人は、教室という環境は大切なのかもしれません。
でも、ほんのちょっとした時間でいいので、今日のような過ごし方を経験してください。
描いていると、時間が過ぎるのが速く感じませんか?
本日、授業でできなかったデジタルスキルは、12月の畑山先生のプレスウールで、フィギュアのパッケージを制作してみる計画をたてていますので、パソコンに触れてもらえる機会を用意する予定です。
プレスクール(第3回目)の報告。
AOエントリーが
完了した人や、すでにAO出願が完了した人が参加できる入学前授業がプレスクール。
高校の行事や部活や家庭の事情などが理由で、なかなか参加できない皆さん、遠方にお住いの皆さんもこちらをご覧になって自宅で学習してみてください。
プレスクールに
参加しなければ、入学後にデメリットがあるということはありませんし、自主参加ですので、参加できる範囲で登校していただければと思います。
記事を見て、質問したいことや相談も、随時受け付けていますので、ご案内している連絡先や、AOサポーターに連絡していただければお答えいたしますので、不安に思わずに利用してください。
【アニメーション学科プレスクール】
前田先生の「アニメーター基礎」。
今回は、キャラクターのデッサンが課題でした。
アニメーターという職業において、作画するということについての仕事の流れについての講義からスタート。
複数チームによるローテーションで、話数ごとに同時進行していく仕事なので、全員で絵の統一を図ることがことが大事。
キャラクターのイメージをそろえて描いていくデッサン力が、アニメーターに必要なテクニックになります。
「設定されたキャラクター表を見ながら、様々なアクションポーズを描くことができるか?!」
これが、今回のテーマ。
在校生たちが、オリジナルで制作しているアニメーション(グループ制作)のキャラクター表を拝借。
参加者に、コピーが配布されました。
1.それを見ながら、斜めのアングルの描写にチャレンジしました。
動画の作成において、斜めのアングルのデッサンはとても大切です。
三次元が舞台ならなおさらです。正面のアングルや真横の構図ばかりじゃ、せっかくの世界観が描写できないでしょ?
本来ならば、設定書において描かれていなければなりませんが、今回はあえて、斜めのデッサンがない資料を配布し、教材にしました。

「斜め以前に、みんな、プロポーションの観察ができていません」
キャラクターのデッサンにおいて、まず、①頭身を確かめることが何よりも大切。さらに、②肩幅や、腕の長さ太さ、足の長さ太さ、手足の大きさなど、体の各部のサイズを確認。肘や膝のポイントが大切。すべては頭のサイズが基本になります。③顔面の中にある、目や鼻や口のプロポーションやバランスについても学習。
あらためて
修正デッサンを行いました。
よし、みんな、上手く描けるようになってきたぞ!

アニメーターは
作家ではないので、与えられた設定にもとづいて、決められたデザインのとおりにデッサンすることが仕事です。自分の感覚で好き勝手に描いてはいけないのです。(キャラクターデザイナーを任されたら別ですけどネ)
仕事の役割としての大切さを学びました。
2.休憩時間後、続いての課題は、いろんなポーズを描いてみよう!
設定資料に描かれていない、いろいろなアクションポーズを、想像して描く。
アニメーターには、そんなデッサン力も必要です。
腕を組んだら、どんなぐあいになるのか。座った時のプロポーションの見え方の変化に対応できるか。関節が曲げられると、設定されたデッサンとは違ったイメージを描かなければなりません。しかし、そのキャラクターの特徴や個性が変わってしまってはいけません。


斜めのアングルなので
視点の高さの関係と、モノの見え方についての講義も行われました。
この日、描いているキャラクターも、立体のイメージなわけですから、アイレベルに似合った描かれ方がされなければいけません。

これまで
みんなは、自分本位でキャラクターを描いていたと思うのですが、この日の学習を経験して、新しい課題が見えてきたのではないでしょうか?
最後に、前田先生から、「今日勉強したことが、実際の作品で、どうなっているのかを観察してみてください」という言葉で締めくくられました。

【キャラクターデザイン学科プレスクール】
第3回は「描写力スキルアップ」
私が担当。画材は鉛筆を使って、観察して描写する課題を用意しました。
教材は

コップや皿など食器も良いのですが、自然のモノを描くことの方が、人の手で描く作業にピッタリですし、様々な筆圧やタッチで描いていく制作にぴったりだからです。
しかも、写真を見て描くのとは違って、現物を見て描くことは、本当に、対象物に向かい合って描く制作が出来るからです。
机の上に
並んだ葉は、ユリノキの落葉と、イチョウの葉、ケヤキの落葉。
大阪の街路樹を代表するはっぱたちです。
残念ながら、イチョウの葉が色づくには、もう少し先でしょうか。
ユリノキは、モクレン科の落葉高木。
葉身は6~15cmで、この日の用紙のA4サイズに似合った大きさ。葉の形が半纏(はんてん)や、相撲の軍配に似た形から、ヤッコダコノキ、グンバイノキとも言います。

今回のテーマは描写。
鉛筆で、じっくり描き込みを行いました。
その前に、ウォーミングアップとトレーニング。
鉛筆で、球体描写にチャレンジ。


立体を表現するには、陰(カゲ)の描写が必要。
存在を表現するには、影(カゲ)が必要。
陰影が大切です。
写実的な陰影の表現を行うためには、鉛筆の濃淡を使い分けて描写していかなければなりません。
筆圧を加減して、諧調を作っていきます。
球体描写表現は、ちょうどいいトレーニングになります。
普段から、鉛筆で描写の練習をしましょう。
さあ
落葉の描写です。
枯れた落ち葉は、丸まっていたり、凹凸ができていたり、表情が豊か。とても面白味の多い対象です。


テーブルと
葉のすき間の、浮いた部分の影を描写すると、葉の浮いた雰囲気が表現できます。



葉脈を描写して
葉らしさを演出します。


休憩時間を
はさんで、教室を離れ、現在展覧会中の、ODC大ショーの入賞作品・入選作品の展示を見学し、校舎の外に散歩に出かけました。
学校周辺を案内するのと同時に、刺激を受けたり、実際に街路樹を間近に観察するため。
どんな植物なのか、どこに生えていたのか、そんな情報が加われば、作品に込める思いも変わってきます。
単なる対象じゃなくなるでしょ。
キャラクターデザイン学科は創作したキャラクターを生き物にして育てていく学科。デッサンの作品にだって命を吹き込むのです。
落葉1枚を
ただの落ちていた物で終わらせず、彼のいた環境や本来の姿を知り、感じたこと制作に反映されることを期待します。



今回の
制作の目的は、細かに観察して、じっくり描写することでしたが、この体験は、ゲーム業界に就職するために必要なデッサンの作品を描きためることにつながってほしいと願っています。
前回のプレスクールのテーマはスケッチでしたが、これは、キャラクター業界や商品開発の世界にはなくてはならないスキル。ゲーム業界は、3Dが必須。リアルで臨場感ある画面を作り込むには、観察力と描写力が大切です。時間をかけてでも、じっくりと描き込んだり作り込んだりできる体質とスキルが必要です。いかがでしたでしょうか?

途中、校長先生が、2回教室に見学にこられました。
「みんな、黙黙と描いてるなぁ」
デッサンは集中力が必要ですね。
一人だけで、そのような時間を作るのが苦手な人は、教室という環境は大切なのかもしれません。
でも、ほんのちょっとした時間でいいので、今日のような過ごし方を経験してください。
描いていると、時間が過ぎるのが速く感じませんか?
本日、授業でできなかったデジタルスキルは、12月の畑山先生のプレスウールで、フィギュアのパッケージを制作してみる計画をたてていますので、パソコンに触れてもらえる機会を用意する予定です。
スポンサーサイト
0件のコメント
コメントの投稿
0件のトラックバック
- トラックバックURL
- http://odcanime.blog40.fc2.com/tb.php/2337-2d71b932
- この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)