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何故? イマジナリーラインを越えてしまった【2】

1月21日の
宮崎映画の、イマジナリーラインの処理についての疑問の第2回目。

『となりのトトロ』の素敵なシーンの中にも、どんでんに入って良かったのか、疑問に思うモンタージュがあります。

ラスト10分間の
サツキちゃんが、妹のメイを探し、あちらこちら走り回るシーンです。
メイが、お母さんに会いに、ひとりで病院に向かったのかもと、サツキは七国山に走り出します。
時刻の経過と妹の無事を願うドキドキを、美術の色彩と音楽で、見事に描いた10分間。ねこバスも活躍します。

松郷から
走ってきたサツキちゃん。三叉路を左に行くと、病院の方向です。
妹のメイは、迷わず、正しく病院の方に向かったのだろうか。ひょっとしたら、間違って、こっちに行ったりしていないだろうか。
心配。

三叉路 七国山はこっち

七国山への
道を進むと、途中、オート三輪に乗った若い夫婦と出会った。

七国山から来た夫婦 サツキと出会う

夫婦に「4歳の女の子とすれ違わなかったか」と訊ねる。

下手にサツキ 上手に夫婦

「わたしたち、七国山から来たけど、そんな女の子とは出会わなかった」と奥さん。

夫婦は、松郷の方面にフレーム・アウト。

松郷は下手の方向

やっぱり、メイは、さっきの道を、間違って右に行ったんだろうか?
夫婦の話しを信じ、三叉路の方に引き返すサツキちゃん。

サツキ、フレームアウト

ここまでの、イマジナリーラインに対してのカメラポジションは原則どおり。
画面左にフレーム・アウトしたサツキちゃんは、七国山を背にし、松郷の方に戻っていった表現である。

自転車を立ちこぎし、サツキを呼び返しに来た勘太。
松郷から走って来た。

トトロ勘太

走ってくるサツキちゃんは、真正面の構図なので、中立(ニュートラル・ショット)。ラインを越えなければOK。

サツキ走る正面

変わらず、七国山と松郷の位置関係は、観客の意識の中で統一されているはず。

勘太とサツキ出会う

勘太とサツキの会話のアップショットも、イマジナリーラインの原則が守られている。

下手に勘太 上手にサツキちゃん

しかし、よく見ると
顔の影のつき方が少々気になる。

さらに…
インサートカットをはさんで、振り返るサツキちゃんの視線の先に、松郷の神池(しんいけ)があるようには感じにくい。

インサートカット1
インサートカット2

振り返るサツキの視線の先は…
松郷の方を見たように見えない

サツキちゃんの
振り返った方向は、今さっきまでいてた、七国山の病院につづく道の方向だ。
どうやら、勘太との会話の最中に、イマジナリーラインを越えてしまったようだ。

その結果、このモンタージュから受けるイメージは、サツキちゃんは、メイが履いていたかもしれないサンダルが見つかった、神池のある松郷の方を見たというアクションに思えない。

上手へのフレームアウト

そして、神池とは逆方向の、七国山へ向かって再び走りだしたように見える。

サツキはどこに向かったの?

決して
間違ってしまっているわけではないのです。

よく見れば、勘太の自転車の向きは七国山の方を向いていますし、夕日の空の色や地面の影を見ると、カメラがどんでんに入ったことが理解できる。
しかし、よく見ればであって、画面の中で方角や影がどうなっているかよりも、右に向かったか左を向いたかということの方が、観客は瞬間的な判断が可能ではないでしょうか。

観客は
映画を観ていることを承知していても、どこかで舞台を観ている感覚をもって画面やスクリーンを見ているところがあります。
そこが、映画の不思議なところでもあり、イマジナリーラインが取り出されるポイントでもあるのです。

映画は、フレーム(枠)の中の情報をもって、観客にイメージを伝えていきますが、同時に、フレームの外の世界や空間も感じさせているのです。観客は、映画の舞台も大局的な視野で、物語の世界観を認識しているのです。
少なからず、演劇の舞台の上手と下手の感覚をもって、世界を眺めています。

演劇を観賞する観客は、客席というひとつの方向から物語を観賞するのに対して映画は、カメラが三次元的に自由です。
観客が舞台に上がって、役者と同じ次元で物語に参加することができます。
見た眼といって、俳優の主観の視点で物語に参加できますし、心の視点で参加することも可能です。
しかし、イマジナリーラインが大切だといって、矛盾ですね。

神池(しんいけ)に
走ってきたサツキちゃん。
ここでは、下手側に位置する松郷に戻ってきた方向性がとられている。

神池のお祖母さん サツキちゃんが戻った なんだ、間違いだとよ

もちろん、道は真っ直ぐではないので、サツキちゃんは、ここに走って来るまで、様々な向きで走っています。

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映画の演出に正解は無いので、今回とり上げた『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』の各シーンは、作家である宮崎駿監督の考えがあって採用した構図であり、作り手の思いがあってこうなっているのだと思います。
しかし、イマジナリーラインのルールを使用すれば、場の位置関係を、もっと理解しやすいものにできることに気づきませんか。


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プロフィール

大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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