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『七人の侍』

七人の侍日本映画の名作は?と
日本人に問うても、外国人に問うても、必ず上位にタイトルが登場する映画と言っても良い、黒澤明監督の『七人の侍』。
3時間を超える大作で、教材で使いたい映画ではあるが、授業時間内で終わらないため、使いにくい映画。
でも、「見たい」と強くリクエストする学生がいたので、思い切って見ることにした。

1954年(昭和29年)4月に公開。207分
監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
撮影:中井朝一
音楽:早坂文雄
勘兵衛:志村喬
五郎兵衛:稲葉義男
久蔵:宮口精二
平八:千秋実
七郎次:加東大介
勝四郎:木村功
菊千代:三船敏郎
儀作:高堂国典
与平:左卜全
茂助:小杉義男
万造:藤原釜足
利吉:土屋嘉男
志乃:津島恵子
  
『七人の侍』のストーリーは
野武士に襲撃され続けている村が、自衛のため浪人を雇って闘い、野武士を殲滅するというシンプルな大筋だ。
この、外敵から自衛するために闘うという物語の骨組みは、公開当時、その是非を巡って少なからず議論の的となった。

昭和29年という
『七人の侍』が公開されたころは、太平洋戦争の敗戦からわずか9年後で、アメリカの占領から独立してまだ2年という時期。
自衛隊が発足されたことなどと絡めて、『七人の侍』は日本の再軍備を肯定する映画だと批判する声があった。

また
黒澤明が、文藝春秋(1991年12月号)で語った話だが、『七人の侍』の撮影現場を当時の社会党の書記長・和田博雄が見に来た際、彼の秘書が「野武士は野武士の言い分がある」という発言をして、黒澤を激怒させた。
黒澤は、「泥棒が善いという論理か。泥棒をすることは悪いことだろう、それと戦うのは当たり前じゃないか」と反論したそうだ。

野武士が

のさばり、はびこる戦国時代の真っ只中、役人も当てにならず、自分達の食料すらままならないうえに食料や農耕馬のみならず、女房や娘まで奪い取る残忍な野武士たちによる、耐え難い略奪と屈辱から、自分たちの生活をまもる、外敵から自衛しようとするのは必然だ。

一見、荒唐無稽とも思えるが、浪人が農民の警護役として雇われる歴史的裏付けもあるそうな。

こんなエピソードも。
映画の公開後、黒澤宛てに、ある女性から抗議の手紙が届いたそうだ。
その手紙には「こんな残酷な映画を発表されては困る。私はこれからアメリカに行って勉強するのに、こんな映画を出されたら日本人として立場がなくなる」という主旨の内容だったという。

黒澤は激怒。「西部劇を見ろ、(アメリカという国だって)インディアンをじゃんじゃん殺してるじゃないか。野武士というのは暴力団みたいなもので、それと戦ってどこが悪いんだ」という内容の分厚い反論の手紙を書いたとか。

侍に護ってもらった百姓のように
昭和26年(1951年)、安全保障条約により、アメリカに護ってもらうことになった日本。
時代にシンクロするように『七人の侍』は制作された。
さらに、1960年には、安全保障条約は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約として改訂が加わり、日本の自衛力の強化と共同防衛が盛り込まれた。

まさか、映画の影響が、いくらかあったのだろうか?

戦後71年。
アジア太平洋地域の緊張は、昭和の時代からさらに、新しい緊張が生まれている。
テロ。北朝鮮の暴走。

そんな情勢において、戦力不保持をうたう百姓は、自衛のための最小限の実力組織を所持したが、いまだ、そのことを村のルールの上に、明文できないでいる。
なのに、集団的自衛権を認め、自衛のための最小限の実力組織の活動範囲や使用できる竹槍や武器を強固にし増やし、使用基準を緩和しようとしている。

しかしながら
画面の中で、たとえそれが敵の野武士であっても、追い立てられ突かれ、殺される姿が生々しく映し出されると、心穏やかではない。
命を奪う、奪われるということは、平静ではいられなくさせる。

黒澤明は晩年の映画『影武者』『乱』『夢』においても、戦争の愚かさを繰り返し描いてきた。
けっして好戦的で、人殺しを賛美することはない。
活劇である『七人の侍』も、闘いの果てにあるのは傷付いた人間と戦争の虚しさであることを描いている。

映画「七人の侍」は
4Kデジタルリマスターでよみがえり、全国のTOHO系劇場にて上映中。
大阪では、「午前十時の映画祭7」で見ることが出来ます。

七人の侍


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大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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