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頑張れ青春!その2『フラッシュダンス』

2年生最終学期の
最後の映画鑑賞に、1983年公開のアメリカ映画(パラマウント映画)の『フラッシュダンス』を選んだ。

先週に続いて「がんばれ!」シリーズの2回目。
今週は「がんばれ女子」。

フラッシュダンス『フラッシュダンス』 Flashdance
監督 エイドリアン・ライン
脚本 トム・ヘドリー
         ジョー・エスターハス
原案 トム・ヘドリー
製作 ドン・シンプソン
          ジェリー・ブラッカイマー
出演 ジェニファー・ビールス
         マイケル・ヌーリー
編集 バッド・スミス
         ウォルター・マルコネリー

「ありきたりな青春ラブストーリー」
「都合良いハッピーエンド、サクセスストーリー」
といった具合に、ネットを覗いてみると酷評が目につく。

ちょっと待って。
映画って、あらすじで決めるものでしょうか?

ノリノリダンスミュージックにシンクロさせて画面が、登場人物たちが画面の中で躍動する。
主人公の女の子、ジェニファー・ビールスの、表情が良い! ダンスもカッコいい!
素敵な画面にいっぱい出会える映画だよ、『フラッシュダンス』は。

オープニングで見せてくれるギャップがいい。

スクリーンいっぱいの大きなタイトル文字が画面上手からフレームイン。
FLASHDANCE
まるで、ボクシング、アクション映画「ロッキー」のメインタイトルのような始まり方。
鉄鋼の街、ピッツバーグの鉄工所。
工場!加工される巨大な鉄骨!体格のいい男たち!溶接!火花!
えっ!? 女の子が主人公の映画じゃなかったの?
ひとりの溶接工にズームインして行く。遮光面を脱ぐと、主人公のアレックスの登場。
場違いな、若い、かわいい女の子。
この間、カットバックで、ロングショットで、細身の女の子が朝の街を、シルエットで、自転車に乗って走るショットがモンタージュされています。工場のイメージと朝焼けのシルエットのイメージが真逆なので、時間も場所も、全く関係ない、ふたつの出来事が並列して映されているように見えるが、実は、自転車の彼女が工場で働いている主人公! という仕掛け。

出だしからわくわくさせてくれる。

シーン変わって
ナイトパブ。
お酒、BGMの洪水、昼間の工場の場面とはガラッとシーンのイメージが変わる。
パブの客はというと、相変わらずガテン系のおじさんたちだけど。

ステージでは、店に所属している女の子ダンサーが、得意のダンスを披露。
下着姿で水をかぶるパフォーマンスがあったり、多少過激なのは、労働者たちの仕事のストレス発散の店だから。

水しぶき

ダンスシーンは
この映画の「売り」だから、かっこいいのは当然ですが、パブのダンスショーではなく、アレックスの自宅での練習シーンで見せるモンタージュも素晴らしい。
つながっていないのだけど、アクションとリズムで、アップショットで強引に編集してしまう見せ方は、その後、テレビコマーシャルやミュージックビデオに大きな影響を与えた。

練習

シーンへの入り方もイイ!
ドアを開けると犬の顔のアップショットから始まるなんていう、楽しいモンタージュ。
新しいシーンはアップショットからは鉄則です。

犬

『フラッシュダンス』は、その年の第56回アカデミー賞・編集賞にノミネートされている。(ちなみにこの年の編集賞は『ライトスタッフ』でした)

ネットの書き込みを
さらに見ると、「プロのダンサーになる夢を追う女性の姿」「いつかプロのダンサーとなって有名になる」と紹介されているけれど、アレックスは目指していたのだろうか?

アレックスの言葉は、
「音楽を聴くと、自然と体が動きはじめる」
「音楽とダンスが一体になったときの快感が好き」

お祖母さん?
おばさん? それとも友だち? 
アレックスが、時々会いにいく、報告に行く、ハンナという女性には、バレエ学校への入学「オーディションの申し込みはしたの?」と再三、訊かれる。
二人の会っているシーンから、ハンナはかつてはバレエダンサーだったことがうかがえる。
アレックスに、プリンシパルになってほしい夢を持っていて、アレックスも、そうしてあげたいと思っているのでしょう。
でも、「申し込みをしに行くよ」と応えはするが、なかなか行動におこせないアレックス。
アルバイトで、客の前で踊っている、自信に満ち、思いっきり自分を出せるのに、このことについては、全然、彼女らしくないのだ。
ダンス仲間や親友には、ポジティブな言葉で助言することだってできるのに。

一度は、事務局に願書をもらいに行くのだけれども、雰囲気に圧倒されて、受け取らずに帰ってきてしまう。

バレエと、自身が今踊っているダンスを区別している訳でもなさそう。
ハンナと一緒にバレエ鑑賞に出かけるし、憧れの目で鑑賞するし、ハンナに、目を輝かせながら「舞台の上で花束を受け取るときの気持ちってどんな気持ちなの」と尋ねてみたりする。

踊ることが大好きなのは間違いない。、ハンナに、バレエの舞台で踊っている姿を見せたいとも、強く思っている。

願書

つきあい始める
職場の上司との関係も、ストーリーの中心だが、フィギュアスケーターで大会で優勝を目指している店のウェイターしている親友や、有名コメディアンを目指す友だちのコックの存在は、アレックスの心の変化を見ていくのに、もっともっと大切であるように思う。

親友は、スケートの予選に向かって練習する。
コメディアンをめざす友人も、店を辞めて、夢に向かってチャレンジする。

しかし、親友は、ジャンプの転倒の連続で、夢砕かれる。
コメディアンを目指す友人も、現実の厳しさを知り、夢かなわず戻ってくる。

特に、親友は、フィギュアスケートを諦めて、高収入ストリップクラブに身を落とす。
アレックスも、再三、スカウトされているいかがわしい店だ。
アレックスは、親友を連れ戻しに、店におしかける。

友だちの行動は
自分のこととなると二の足を踏むアレックスに刺激を与える。
友だちは、結果を手に入れることは出来なかったが、勇気を持って果敢にチャレンジした。

彼氏の存在が、彼女を前向きにもさせた。

入学志願の

書類をもらいに、スクールの事務局の二度目の訪問をする彼女の表情は、一度目のそれとは違っていた。

ハンナに報告し、出願するアレックス。

やがて、書類選考合格の通知を受け取り、オーディションの日程が決まる。

真っ先に喜びを伝えたのは上司の彼氏。
幸せの絶頂。
しかし、書類審査の合格が、彼が協会の友人に声をかけたことで手に入れたことと知り憤怒。
オーディションには行かない! と、彼氏と大喧嘩。

「キミは怖がっているんだ」
「都合のいい、言い訳にしようとしている」
と見透かされてしまう。

券か」の最中に鳴る電話のベルが、この後の物語の展開に大きくかかわってくることを見逃さないで。

できないこと、やらないことを、他人のせいにしたり、他の理由をつくって転嫁したりって、われわれにもある話し。

それに、他人の手助けがあってオーディションに臨めるという展開は、ルール違反でもなかろう。
書類選考なんて、けっこういい加減なもの。
大切なことは「チャンスを活かし、本当の結果を手に入れる」こと。
この時こそ、本当の自分の力で。

今回、2年生たちに

この映画を見せようと思ったのは、ここのところです。
就職活動を、自分だけの力で結果を手に入れようと考えている学生が大勢いるが、せっかく、専門学校に入学してきてるわけだから、就職スタッフや、先輩たちのアドバイスを、遠慮せずに利用して活動すればいいのにね。

久しぶりに気返してみて

改めて感心したショット。
オーディションに持参する音源が、データやCDではなく、レコード盤でした。

レコード盤に針を落とす時の緊張が、アップショットから、見事に伝わってくる。

しかも、緊張で失敗し、もう一度、同じ構図のアップショットがモンタージュされる。
もちろん2回目は、意を決して針を落とせるよ。
そんな学生たちの等身大の演出は、感情移入して見てもらえるもらえる素敵な画面がたくさん登場する映画だと思います。

レコード

オーディションを
最後まで見せず結果も伝えない、未練気のないエンディング。
一足先に渡される花束は、物語の途中のアレックスとハンナの会話にかかっている。
しかも赤いバラの花束ということは、きっと正式プロポーズ。
一本抜きとってお返しする(相手の胸に挿してあげる)というアクションは、求婚にお応えするという西洋のお決まり事。

バラ

台詞を使わなくとも、ハッピーエンドを象徴させる幸せいっぱいのラストシーンです。

もちろん
ストリートダンスシーンや、お巡りさんの交通整理ダンスシーンも、楽しくて素敵です。



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プロフィール

大阪で、アニメーションの仕事に関わり、現在は、大阪デザイナー専門学校(旧称・大阪デザイナー学院)で、アニメーション学科とキャラクターデザイン学科の1年生2年生の担任をしています、森宏樹です。 手技や映像に関する授業を担当し、描いたり作ったりの指導をしています。

MORI Hiroki

Author:MORI Hiroki
たった15秒や30秒のコマーシャルが、大きな映画にも負けない感動を与えてくれる。
カメラマン宮川一夫が撮影した「トリスウィスキー」の作品は、大好きなCFのひとつ。

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