キャニメーションの森
2006年4月から開設していましたブログ「アニメーションの森」の続編です。デザインの専門学校で一昨年前40周年を迎えたアニメーション学科の学生たちの授業の様子やキャンパスレポート、卒業生の活躍を主に更新しておりますが、その役割はODCのホームページに任せて、ここのところは、プライベートなことをつぶやいています。
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キャラクターデザイン学科2年生
たちは、先週、卒業制作作品の搬入がありました。
審査も無事に終了し、この日、その結果発表と、作品の返却です。
運命の分かれ道?
審査で合格した人は、大きな肩の荷がひとつ、下りることになります。
キャラクターデザインの学生のほとんどは、卒業単位を充たしていますので、作品の判定が合格ということは、実質卒業を手に入れたのと同じですから。
でも
卒業の確約をとって終了ということではなく、合格者であっても、卒業制作展に向けての準備をしなければなりません。
そのためのアドバイスを、審査に関わった先生たちからコメントをもらい作品を受け取ります。
12月の
この時期から、約2ヶ月間、毎年学生たちの姿を見て、彼らの成長の集大成と力強さをを感じます。
それは
合格者は、必要なことを手に入れて、ここから、卒業式まで遊んで暮らすことも可能ですが、学生たちは例外なくと言っていいほど、ここからさらなる進化を見せてくれます。
卒業制作展に向けて、作り足したり、手を加えたり。
お伝えしてきたように
この1ヶ月、作品を完成させるため、制作を最優先して頑張ってきました。
とくに、搬入前の1週間は、目の色を変えてヒッシのパッチでした。
教室開放は常に満員でしたし、知っている先生が1年生の授業に入っている時間も、無理言って、お邪魔して使わせてもらって、そんな毎日の連続でした。
みんな卒業にヒッシでした。
そんな中で、自身の手がけている作品に愛情がついてきたのでしょう。
愛着なんかじゃなく、本当の愛が!
この前までは
卒業のための単なる〝課題〟でしかなかったものが、搬入して一度自分の手を離れ、「どうなるのかな? 作品の行方」という不安の中で、手がけた作品の大切さを、あらためて確認したのかもしれません。
帰ってきた作品に
合格の判定がつき、わが子の可愛さや大切さ、偉大さを再認識できたとか。
ちょっと大げさでしたか?
きっと
毎日作り続けてやってきたことが、搬入で途絶えて、描いたり作ったりしなくなったことがストレスになってしまったのです。
描いたり作ったりが日常になり、それが体質になってしまったから。
これって
クリエイターの一番大切なポイントでしょう。
だから
合格をとった学生たちは、ここで終了できないんです。
目標は、作品を提出することと作品の合格をとることだったのですが、それ以上に、モノを作ることの楽しさを、制作中の苦しみの中から見つけ出すことが出来たんです。
素晴らしい!
卒業を手に入れるための
単なる〝課題〟が、自分を表現するための、大切な自身の分身になりました。
自分の分身を
適当に仕上げて、「良し」としたくない。
そんな、適当なものを、自分の分身として、展覧会に展示したくない。
合格を手に入れた人たちは
明らかに、次のステージへと目指し始めたんだと感じます。
それが、さらなる作品の手直しへと、作り足しへと、駆り立てるのでしょう。
そんな
彼らの成長ぶりを、毎年見せてもらって、我々教師は感動します。
アスリート
たちが「楽しむ」という言葉をよく発します。
第三者がそれを聞き、「勝負の世界に、なんて不適切な」という意見を述べます。
結果を求めているファンたちは、そんなアスリートたちの自覚の無さに腹立たしく思ったりするのですが、彼らアスリートの本音であることは確かなのでしょう。
苦しいトレーニングや度重なる試練、窮地からの脱出、スランプの克服。
そんな辛さをを克服して来た人間の、素直な感覚が、あの笑顔で発言するのだと思います。
今の2年生たちと同じ笑顔!
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